読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

休憩まだもらってないです

アパレル販売員の過去を持つ私の、毒にも薬にもならない思い出を綴るブログです

ここで働かせてください

私がのちに数年もの間お世話になる会社との戦い。

 

私は失恋(不採用の件)の感情を100gくらい胸に仕舞い、説明会に向かい、エントリーシートを書いた。私の就活はかなり切羽詰まっていた。最終面接まで行ったのは、某子供服ブランドだった。はっきり言って全く私の趣味では無かったし、少なくとも働きたいと思える会社では無かった。しかし、面接官は明らかに私の事を気に入っていた。自分の事を好きか嫌いか、相手の表情や口調でここまで分かるのかと驚いた。そしてそれが分かると、私は普段友達や家族と話すときと同じように饒舌になれた。最終面接で、御社が第一志望では無いといった就活ではありえないバカな回答をし、あっさり落とされた。

 

最後に受けた、”のちに数年もの間お世話になる会社”の面接は、トントン拍子だった。就活も終盤ともなると、”慣れ”が良いように影響した。自分の事は自分の言葉で全部話せた。笑顔と笑声は誰にも負けなかった。

 

一次面接、二次面接、三次面接、最後まで社長は出てこなかったが、明らかにどんどん偉い人が出てきている事くらいは、分かった。面接の場で、最後に質問が無いかと聞かれるのも鉄板だと思うが、はっきり言って、このタイミングこんなに偉い人達に何の質問をしろというのだ。説明会ならまだしも、最終面接で質問なんてない。ここでとんでも無い質問をして不採用には成りたくない。もう「持ち駒」はこの会社だけだった。

 

狭い個室の冷たい椅子に背中を付けずに固まっていると、一緒に受けていた学生が、俊敏に手を挙げ、質問では無く熱意を短く語った。相手の質問には上手く答えられていなかった彼に越された。私はそれを見て負けじと挙手し、同じように熱意を短く語った。面接官の一人は最後まで渋い表情だった。もう一人はにこやかに私たちを見つめていた。