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休憩まだもらってないです

アパレル販売員の過去を持つ私の、毒にも薬にもならない思い出を綴るブログです

販売員になるという決意

内定先は、衣料品の企画製造販売の会社。いわゆる、アパレル企業。そして私は、その会社で、販売員として会社に貢献する事を約束した人材であった。

 

そんな中、一つ問題があった。私は実はこの会社が展開しているブランドの洋服を一着も持っていなかった。もちろんブランドは知っていたし、働きたい希望のブランドもあったのだが、バイトで月5万程しか稼いでおらず、飲み会にサークルに忙しかった私には、とてもじゃないが買える値段の洋服では無かった。

 

小学生の頃からファッション雑誌を愛読していた。メイクは中学生からしているし、流行っているものはすぐに欲しくなった。母から、『アンタはなんでも手に入れなきゃ気が済まない』と呆れられる事もあったし、実際に過去の自分の写真を見ると、その当時の服装やメイクを見て、なんだこれ、と疑問を持つ事も多いのも事実だった。しかし、自分が新しいファッションやメイクをする事で、他の誰かになったような気持ちは、何にも変えられない感覚だった。

 

大学生になり、大好きなブランドが出来た。自分がそれまで好んで来たZipper系の服装では無く、モードで、新しさがあって、遊び心があって、なのに大人っぽくて、アースカラーだけど野暮ったくなくて、かっこよさもあって…とにかく、どこをとっても自分には魅力しか無く、毎日、一日のうちに何度も何度もショップのブログを読んでいた。服を着こなす販売員さんが可愛くて、おしゃれで、かっこよくて、何度も読んだ。

好きな販売員さんのいるショップに買い物に行き、心の中で、「あの人がいる!」と小躍りしながら、人見知りだから「いつもブログ見てます」とか言えない、そんな私がいた。

 

私はそのブランドの欲しいアイテムをネットでチェックし、合計金額を計算し、さらにテナントのポイントアップ期間などの、自分にも得がある日に買い物に行っていた。少しのバイト代を握りしめ、ショップに足を運んでは、徐々に全身そのブランドでかためていた。

 

ここで働けたらどんなに自分らしく、やりがいを持って働けるだろう、という思いはもちろん強くなり、新卒採用説明会に足を運び、エントリーシートを提出し、面接まで漕ぎ着けたものの、一次面接で不合格。言いたくないが、何となくの理由は分かる。私には、そのブランドのファンであるという事以外に、アピール出来るポイントが無かった。希望した会社で働き、顧客に向けたサービスに全力を注ぎ、お金を得るという事に対する責任や覚悟は、ほぼ無かったように思う。それでも、私は好きな事を仕事にしたかった。何が何でも働きたい会社から、「要らない」と言われた現実があってからようやく、就活生としてのやる気と本気を出し始めたのだった。